本当に見事でした。世界選手権を制したプログラムに戻したのは賢明な判断だったということですね。12月の全日本を終えた後の決断で、準備期間が短かったとはいえ、その動きは体に染み付いていたんでしょう。ここまでパーフェクトな演技を見られるとは思わなかった。共同会見で「3回転−3回転が、ダブル(2回転)になったのが悔やまれます」と言っていますが、最初の3回転を着氷するまでの短い時間で自分の体勢を考え、2回転に変更してしまう冷静さ、判断力、技術の高さを凄いと思う。
今シーズン限りで引退→プロ転向となるようですが、長く語り継がれる金メダルになるでしょう。エキシビションもあるし、日本に帰ってからも色々と忙しくなると思いますが、その後にはゆっくり休んで欲しいと思います。3月の世界選手権はパスでいいでしょう。
村主はSPの4位から順位を上げることが出来ず、メダルに手が届きませんでした。3回転−2回転のコンビネーションが2回転−2回転になるミスはありましたが、全体として非常に良い出来だったと思います。それでも2度転倒のコーエン、転倒は1回もあきらかに本調子ではなかったスルツカヤに及ばなかった。つまりは演技全体の基礎点が低いということか? プログラム・コンポーネンツも全ての項目で上位3選手に及びませんでした。これは不本意でしょう。演技を終えた後のインタビューで流した涙には、安堵感や満足感以上に悔しさもあったのではないだろうか。「村主劇場」が素晴らしかったことに変わりはないのですが…。
彼女は現役続行を明言していますので、世界選手権で改めて頂点を目指して欲しい。努力の人ですから、1ヶ月足らずの短い間にしっかりと気持ちを切り替えて、今回の反省点を修正してくるでしょう。ひとまずお疲れ様でした。大拍手はあと1ヶ月とっておきます。
表彰台に上がった3人はそれぞれ大きな怪我や病気、挫折を味わってきた人たちばかり。それが「報われた」というのは荒川だけかも知れませんが、前回や前々回の五輪で私が感じていた妙な「シラケ感」は今回全くありませんでした。荒川が金だからということではなく、私個人の極めて浪花節的な感覚で、やはり4年に1度のオリンピックは大きな困難を乗り越えてきた人が報われて欲しいと思う。リピンスキーもヒューズも何も悪くないけど、彼女たちが勝っても私には感動がなかった。
そういう意味では、もし浅田真央が出場していて表彰台の頂点に立っていたら、自分はシラケただろうか? 同じ日本人だから素直に喜べただろうか? おそらく相当に複雑な感情なのではないかと思う。彼女には世界選手権の出場資格もないが、来年以降は常に表彰台を争うところに来るだろう。高等テクニックに走らず、見る人に感動を与えられるスケーターになって欲しい。4回転ジャンプなどいらないのだ。テレビの前で荒川や村主の演技をどう見ていたのか聞いてみたい気もする。
【スポーツの最新記事】



